栄養とは
「栄養」とは生物が体外から物質を摂取し、それを体の構成や機能の維持・向上に利用する現象のこと。つまり、食べた食品を消化・分解・吸収を通してエネルギーとして利用し、健康に行くための営みを指す。取り入れる物質のことは「栄養素」と呼ばれる。

身体を「養」い、「栄」えさせる、って覚えると良さそう!?
栄養素
栄養素を大別すると、以下の5種類に分けられる。
- タンパク質:身体組織を構成する
- 糖質:吸収速度が速い
- 脂質:貯蔵型
- ミネラル:骨や歯を作り、生理機能に必要
- ビタミン:代謝(細胞の入れ替え・エネルギー産生など)といった生理機能を円滑に進めるために必要
三大栄養素と五大栄養素
食品に含まれるさまざまな栄養成分のうち、以下の3つを「三大栄養素」という。この3つをエネルギー源として利用している。
- タンパク質
- 糖質
- 脂質
そしてさらに以下の2つを加えたものを「五大栄養素」という。この2つは必要量が少ないことから「微量栄養素」と呼ばれることもある。
- ミネラル(無機質)
- ビタミン
食物繊維
食物繊維は、人間の消化管ではほとんど消化・吸収ができない。そのため不要であると思われている時期もあったが、余計な脂質の吸収を妨げたり、便の中で保水機能を果たすなどの整腸作用があるなど、その重要性に着目され、第六の栄養素とも呼ばれるようになった。
日本人の栄養状態における問題
消費カロリーの低下に伴い、摂取カロリーも徐々に減っている。食事は糖質が多く※、カルシウムと鉄分が足りていない。(※タンパク質や脂質の摂取が減ったことで、相対的に糖質の割合が高くなっている)

カルシウム補給には牛乳や乳製品!
鉄分補給には小魚やレバー、あさり、緑黄色野菜などがおすすめ!
- 乳糖不耐症
小腸で消化酵素であるラクターゼが十分に働かず、乳糖(ラクトース)が体内で適切に消化・分解できないことで消化器に消化不良・下痢といった諸症状が発生する。ラクターゼの分泌量に左右されるため、乳糖の許容量には個体差がある。
- 骨粗鬆症
健康的な骨は中身が詰まっていて(骨密度が高く)、丈夫である。
しかし骨粗鬆症では、骨密度が下がり(構造的に脆くなり)、骨折しやすくなる。体の重みで背骨が変形する圧迫骨折がおこりやすくなり、背中が曲がったりする結果、日常生活だけでなく内臓にも支障をきたすことになる。
骨密度は年齢と共に低下するが、特に女性に多い病気である。骨の新陳代謝には女性ホルモンであるエストロゲンが関与しているが、50歳前後で閉経を迎えることで分泌量が低下し、骨量が急激に減少するようになる。また最近では若年層、特に20代の女性でもみられるようになっており、極端なダイエットやカルシウム不足が原因と言われている。
骨粗鬆症では、そもそもならないように骨密度を高め、予防することが大事である。栄養素としては、骨の材料となるカルシウム(牛乳・乳製品など)と、その助けとなるビタミンD(キノコ類、青魚など)の摂取が推奨される。ビタミンDは、紫外線を浴びることで体内でも生成されるため、適度な日光浴も効果的である。また骨の維持成長には運動も必要である。運動によって負荷を与えることで骨が刺激され、骨の形成が促され、骨細胞が形成される。


「骨粗鬆症」の「鬆」って難しい漢字よね…
「骨粗しょう症」とひらがなで書かれることも多いわ。
ちなみに「鬆」の読み方は「ス」。本来は均質であるべきものの中にできた空間のことで、一般的には食べ物や植物などに生じる多数の穴のことをさすわ。「大根に”す”が入ってしまった」「”す”ができない茶碗蒸しの作り方」といって使うことがあるわね。
そのほか、音読みで「ショウ」とも読むんだけど…「松」が「ショウ」と読むから…あとは上半分を覚えるだけね!?ちなみに「髟(ひょう)」が部首よ。
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