基礎栄養学:脂質

脂質とは?

脂質は主に中性脂肪(トリグリセリド)という形で蓄えられており、体内の脂肪のうち90%を中性脂肪が占めている。

脂肪の役割としては、体温の保持、エネルギー源、衝撃の吸収などがある。

骨格筋をはじめとする組織で脂質をエネルギーとして燃焼するためには、まず中性脂肪を脂肪酸に分解する必要がある。血液中を流れている脂肪酸は遊離脂肪酸と呼ばれる。

Mayayan
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トリグリセリドは脂肪組織に貯蔵され、細胞内で必要に応じて分解されて脂肪酸グリセロールになります。

脂肪酸は、ミトコンドリアでβ酸化を受けてアセチルCoAに転換されたあと、クエン酸回路に入ってATPを効率的に産生します。

グリセロールは解糖系に入って代謝されてATPを産生するほか、糖新生によってグルコースに変換されます。

脂肪酸の種類

脂肪酸は飽和脂肪酸不飽和脂肪酸の2種に大別される。

飽和脂肪酸を多く含む脂質は常温で固体であり、肉の脂、ラード、バター、乳製品などの動物性食品に多く含まれる。

不飽和脂肪酸常温で液体であり、菜種油、コーン油、ナッツ類などに多く含まれている。

不飽和脂肪酸には、人間が体内で作る事の出来ない必須脂肪酸(リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸)とよばれる脂肪酸がある。必須脂肪酸が不足すると、子どもの発達が遅れたり、細胞膜の形成に影響する。しかし過剰摂取すると、癌の発症率が上昇するという報告もある。

また、魚に含まれる多価不飽和脂肪酸であるエイコタペンタ塩酸(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)も健康に非常に大切である。これらはオレイン酸などの一価脂肪酸に比べると、それぞれ240倍、320倍と、非常に酸化しやすい脂質であるため、新鮮な状態で摂取する必要がある。

日本人の場合、脂質の摂取量は適切だが飽和脂肪酸を減らして不飽和脂肪酸を増やした方が良いと言われている。

EPA・DHAは、抗酸化作用のあるビタミンEと配合してサプリメント化されることもある。

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コレステロール

コレステロールは、血液や細胞の中において脂肪酸、タンパク質などと結びつく役割をしている。コレステロールや中性脂肪は血液中を自由に流れているわけではなく、リポ蛋白質という形で血液中に溶け込んでいる。リポ蛋白質は組成によって比重や大きさが異なり、低比重リポ蛋白、高比重リポ蛋白などに分かれる。

コレステロールの摂取に気を付けることも多々あるが、基本的には体内のコレステロールはほぼ体内で作られたものであり、食品から直接摂取するコレステロールにさほど大きな影響はない。

Mayayan
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リポ蛋白質のうち、コレステロールを最も多く含むのはLDL(低比重リポ蛋白)、で、悪玉コレステロールと呼ばれています。肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役目をしますが、血液中に増えすぎると血管壁の細胞内に蓄積、動脈硬化を引き起こす原因となるのです。

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一方、たんぱく質を多く含むHDL(高比重リポ蛋白)のは善玉コレステロールと呼ばれています。体内で使いきれなかった余分なコレステロールや血管壁に蓄積したコレステロールを回収して肝臓に運ぶ役目をしています。

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