「使いすぎ障害」とは、運動量が多すぎるために発生する整形外科的障害の総称です。
トレーニングは継続が大事ですが、日々多くをこなせば良いというものではありません。
身体を休める日を設けることは、筋肉の超回復の期間だけでなく、関節を休ませるという観点でも大事なことなのです。
ここでは「使いすぎ障害」のうち、筋力トレーニングにおいても耳にする事が多い3つをご紹介します。
(1)膝の外側:腸脛靭帯炎
膝関節周辺の障害「ランナー膝」の代表格です。
ランナー膝にはいくつかの症状がありますが、腸脛靭帯炎の別名としてランナー膝が使われるほど主な症状です。
ランニングを行うと、膝関節が屈伸します。
これが繰り返されると、腸脛靭帯が大腿骨外顆とこすれて炎症(滑膜炎)を起こし、疼痛が発生します。
これを「腸脛靭帯炎」といいます。
特にマラソンなどの長距離ランナーに好発しますが、バスケットボールや水泳、自転車、エアロビクスでも見られます。
大腿骨外顆、つまり膝外側に痛みがあります。
同様の症状が膝の内側で起こる場合、下記の(2)鵞足炎が考えられます。
(2)膝の内側:鵞足炎
鵞足は、脛骨の内側、膝から5~7cmほど下に位置していて、縫工筋、半腱様筋、薄筋の3つの筋肉の腱の付着部のことです。
腱は扇状についており、それが鵞鳥(がちょう)の足のように見えることから「鵞足」と呼ばれています。
前述の(1)腸脛靭帯と同様に、ランニングなど膝の屈伸を繰り返すことで、また鵞足炎の場合はニ―インの姿勢・X脚など、膝内側に負担がかかる動きを繰り返すことで、滑液包の炎症(滑液包炎)が発生し、痛みや突っ張り、腫れといった症状がみられます。
(3)肩インピンジメント
インピンジメント症候群は、肩の痛みのもっとも一般的な原因です。
“インピンジ”は“衝突”という意味です。
肩関節を外転するとき、棘上筋の腱や肩峰下滑液包が上腕骨頭と肩峰(肩甲骨)の間に滑り込み、引っかかったり擦れて炎症を起こすことで、痛みが発生します。
別名「水泳肩」とも呼ばれ、水泳、また野球(投球)やバレーボールなど、オーバーヘッド動作が多いスポーツに好発します。
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